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みくにコラム11月号「弊園の実践≠お勉強」

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 開園から1年と半年。まだまだ人数的には少ないものの、私達の実践方法が正しいことが子ども達の成長に現れてきており、とても嬉しく思います。代表の私としては、めざましい幼児の成長があって、それが保護者の方々の支持を得て園児募集に繋がると思っています。まず実態ありき。たとえ一時人気園となっても園児が伸びているという実態がなければやがて化けの皮は剥がれます。その点、地味ではありますが日々の活動により幼児の天分を引き出すことに成功している弊園の未来に私は希望を持てています。
 さて弊園の実践ですが、基本の柱は「読み書き数(計算)・音楽・体操・製作・生活」です。これだけ聞くと「お勉強園?」と思われ引かれる方も多いようです。残念ながら地元でもお勉強園のイメージを持たれて入園を躊躇される保護者の方もおられると聞いています。しかし実際園を見学され、子ども達が活き活きと活動を創っている実態を目の当たりにするとどの保護者の方も「素晴らしい保育をされていますね」と褒めてくださり、ご自分の子の入園を決めてくださいます。
 私はことある毎に「色んなお友達と一緒に遊べる子どもになれるようこうした実践をしているのです」「お勉強?もし中国語の意味の《無理に?させる》という意味でしたら、それはないですね。第一、子どもは無理にさせようとしてもやろうとしません。楽しく遊び感覚がないとやろうという気にすらならないのです」とお伝えしていますが、残念ながらそれは弊園の実践活動を見たことがない方には響かないようです。園の活動の中で『論語』を白文で読んだり『百人一首』や『土佐日記』『平家物語』を漢字仮名混じり文で読んだりしています。また数(計算)では算盤を使って足し算や引き算、掛け算等に取り組んでいます。どの活動の中でも子ども達の元気な声が響き、《無理に?させ》られている印象は全くありません。子ども達が自ら進んで取り組み、勝手に覚え、身に付けてしまうのです。
 けれども私達の実践は小学校以降の学習とは全く意味合いが違います。幼稚園における早期教育(先取りして学ぶという意味で)は多くの研究で判明しているように大して意味はないと思います。幼いうちから論理的に思考させた子どもは小学生のうちは神童と呼ばれるような聡明さを見せていてもやがて埋もれていき、高校生になる頃にはむしろ伸び悩みすらすると聞いています(これを論理脳の発達促進による感覚脳の逓減と言います)私も前述した意味での早期教育には反対です。なぜなら幼児期は様々な事を難しく考えるのではなく活き活きと感じながら理解する時期だからです。では、弊園の教育はどこが小学校以降の学習や早期教育と違うのでしょうか?まず、【幼稚園で覚えたことは全て忘れてもらって構わない】ということが挙げられます。私達が一見学習とも取れることを実践する目的は「集中力を養うこと」「素直な心を養うこと」にあります。教諭の「サンハイ」の合図で子ども達は子ども達は『論語』を正確に読み、顔を伏せ算盤が弾かれる音を聞いて「ハイ」の合図でその数を当てます。繰り返し繰り返しそのような活動を行う中で、子ども達の集中力は磨かれていきます。全員がある程度反応できるようFカードや表で何度も口に出して言った後なので出来ない子どもはいません。全員が先生の合図で「ハイ!!」と手を天井に真っすぐ突き上げ答えようとするのです。
「人の話をきちんと聞く」言うのは簡単ですが、実際にはなかなか難しい。私達は自分達の実践を通して「人の話を素直な心で、きちんと聞ける子ども」を育みたいと考えています。そのための『論語』の素読であり、百人一首であり、算盤なのです。ですからその点が養われた後は別に全て忘れてもらっても構わないのです。ひらがなの書き練習もしていますが、これも目的は同様なので集中力・素直な心さえ養われれば小学生のようにマス内にきちんと書いてなくても問題ないのです。
 机に座り、集中して書く。集中して先生の話を聞くといった毎日を送っている弊園の園児達が小学校以降の学習で今度は知的好奇心を満たしていくことを私は今から楽しみにしています。幼児期にやっておかなくてはいけないこと。それは「集中して人の話を聞く姿勢・素直な心の涵養」なのです。それが涵養出来ていたら小中高の先生の話を聞くことはもちろん、友達とも楽しく交わりを持つことが出来ると思います。「烏合の衆」という言葉がありますが、それでは意味がありません。かけがえのない顔と名前がきちんと一致した「?君・?さん」と遊び、代替のきかない友達であってほしいのです。別に誰とでもいいなら、その場合友達は便利な遊び道具に過ぎません。それは双方にとって、とても悲しいことです。ですので感情を持った一人の個性ある友達として大切にする姿勢を育みたいと思っていますし、それに向けて様々なアプローチをしているのです。
「百聞は一見に如かず」弊園の実践に一人でも多くの方に興味を持って頂き、是非見学して頂きたいと思っています。手前味噌で恐縮ですが、小1プロブレム・学級崩壊の解決へのヒント、学習への動機づけ法等のエッセンスが随所に有ると自負しています。
 未就園児の保護者の方はもちろん、各教育機関の方のご連絡をお待ち申し上げております♪ (了)