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みくにコラム3月号「演奏会・学習発表会で感じたこと」

 開園2年目、今年度もMS定期演奏会と学習発表会を行うことが出来ました。日頃子供達はMS(ミュージックステップ)の課程で音楽に親しんでいますが、その中でもピアニー(ピアニカ)の演奏と歌唱を今回も聴いて頂きました。
 大人側(指導者側)の反省点は挙げきれないほどあるのですが、子供達は自信たっぷりに弾き、あまり音の乱れは目立たなかったように思います。歌唱の方では日頃の響きには程遠かったのですが、園児全員による「ハイホー」では普段の響きの片鱗が発揮でき、音も立ち上がったように思います。保護者の方々も後で「ハイホーが良かった♪」と仰ってくださいました。
 演奏会の次は各クラス体操を劇仕立てで行いました。年少は森の動物になって柔軟やマット上でのジャンプ、跳び箱の山を越えました。年中は4匹のこぶたになり、柔軟をやり、側転やブリッジ回転をしました。最後は強攻撃としてトランポリンを使った回転をし、オオカミ(=私)をやっつけ家を守ることが出来ました(笑)。年長はアラジン、BGMも少し大人っぽいものを使い、ブリッジ歩きや前方後方転回を華麗に決めていました。跳び箱も大人でも跳べない高さを子供達は身軽に跳んでいました。最後に保護者の方へ感謝の想いを堂々と言い、自分が選んだ見せたい体操をやりました。保護者の方はもちろん、周りで見てくださっていた他学年の保護者の方まで感動してくださいました。子供の気持ちに寄り添いまるでわが子へ向けるような視線を一人一人に向けてくださる様子に私は目頭が熱くなりました。
 このような雰囲気の中、無事けが人もなく終える事が出来、本当に良かったと思います。保護者の方々も口々に「良かった」と仰ってくださいました。
 しかし、私としては手放しに喜べない気分です。というのも「(私を筆頭に園スタッフの盛り上げで)もっとやる気を引き出した素晴らしい演奏が出来たのではないか」「もっと計画的にステップアップすることでもう二三段高い跳び箱を跳ばすことが出来たのではないか」「小さな挫折体験、そしてそれを乗り越え自信をつける機会をもっと数多く設定できたのではないか」と思うからです。日頃の取り組みを結果に繋げる事が出来ている素晴らしい園の園児を知っている私としては、彼らの能力はあの程度ではないと思っています。天分を十分引き出せていないのは隠しようのない事実なので厳粛に受け止めたいと思っています。
 本当に素晴らしいのは子供達です。至らないことも多々あるとは思いますが、私達の指導にもしっかりついてきて、立派な挨拶、多くの保護者の前で弁えた振る舞いをしていた園児達は素敵でした。当園の適時教育(一人一人のその時期時期に適った環境を設定し伸ばす教育)目標の一つに「弁えのある子供に育む」というのがあります。友達の演技も真剣に見ながら待っている姿勢やふざける事なくいい表情で取り組んでいる姿勢を見、私は嬉しくなりました。
 スタッフ全員で、子供達の気持ちに寄り添った適時教育実践により天分を伸ばし、内面的成長を促すことを改めて決意した一日でした。 

文責:玉崎 勝乗