トップページ » BLOG 2012年04月

みくにコラム4月号「心の風景を『見る』」

? どんな仕事でも「見る」「観察する」ということは大事だと思います。新しい店を出店する際はマーケティングを充分行い、そこでどれだけ顧客を得ることが出来るかをデータを“見る”ことで測ります。どのようなニーズがあるかを市場分析し、そこから得られた声を“見”て営業のタイミングを考慮したり商品開発を行ったりします。簡単に「見る」と申しましてもこれはこれでなかなか難しい。なぜなら、ただ目に見える事象を見るだけに留まらず、そこに介在する人の想いを“見る”迄に至っていないと局面を正しく判断できないからです。
 幼稚園の仕事も同じです。表面的に見えることばかりを追い、受け身的に「こうするものだからこうする」という保育では子供はもちろん、先生自身もつまらないと思います。自ら進んで何かしようという姿勢を養うのは難しいと思います。ではどうすればいいでしょう。
 それにはやはり意識して「見る」これが大事だと思います。見えるものを漫然と捉えるのでなく、子供の行動や言語の奥にある心の風景を見ようとする必要があると思います。しかし、それには感覚世界の共有が不可欠です。経験が全てとは思いませんが理解する上で非常に大きな助けになることは確かだと思います。子供と一緒にボール遊びもせずにボール遊びの楽しさは理解しづらいでしょう。お弁当を一緒に食べずしてお弁当の時間の楽しさを共感することは難しいと思います。もちろん全ての活動を共にやる必要はないと思います。それでも遊びを共にし感覚の共有化が出来ている先生は、傍らで子供がひたむきに何かに打ち込んでいる姿を見た時共感し気持ちを重ねることが出来ているように思います。同じことをしていなくても気持ちの上で子供の活動に参加出来ているのです。
 御調みくに幼稚園の教諭は全員子供軸で考え、共感しようと日々努力しています。自分の見方がステレオタイプになっていないか単純に型に分類して捉えようとしていないかを内省しながら実践を進めています。どんなに素晴らしい原理原則も子供軸を忘れ大人の都合やエゴが介入すると結果ばかりを求め心の風景を感じるのがおざなりになります。今後も私達は「子供達に教え込んでいないか」「子供の心の風景を見ているか」「子供自ら進んでやろうとしている状況を創り出せているか」をその都度内省しながら保育活動を進めてまいります。
 今年度もよろしくお願い致します。

御調みくに幼稚園

代表 玉崎 勝乗