トップページ » BLOG 2013年01月

みくにコラム1月号「新年にあたって」

 新年明けましておめでとうございます。
 おかげさまで弊園も無事3年目を迎える事が出来ました。2010年開園以来、保護者の方々をはじめ地域の方々、役所の方々のご理解ご協力を頂きながらここまで来れたことをありがたく思います。これからも幼児教育のプロとして更に充実させてまいりたいと思います。

?

 幼児教育のプロであるために必要なこと。それは何でしょう。
 まず社会人として当たり前のことを当たり前にする。例えば目の前にゴミが落ちていれば誰が見てようと見ていまいが拾う、お店や食堂で精算をする際は「ありがとうございます」と言う、御恩にはさり気なくも誠意ある行動で応える、困っている人がいれば放っておかないといったこと等です。
「社会人」という言葉は文字通り「社会という共同体の中で生活する人」という意味です。自分の事しか考えず、他者のために己の時間を割くことを惜しむ人間は社会人とは言えません。社会のため他者のために働くことに喜びを感じ、明日へのエネルギーに転化する事が出来る人が「社会人」で在り続けられるように思います。

?

 他者のために役に立つ事を考え抜き、iPhoneを創り出したスティーブ・ジョブズ氏は、新しい市場を作り携帯電話業界でイノベーション(革新・変革)を起こしたと言われています。睡眠時間は4、5時間取れれば良い方だったそうです。また収入が莫大でありながら、住んでいた家は質素で贅沢とは程遠い生活だったことも彼の人間性を感じさせます。
 素晴らしい人間性を持った企業人として後世に語り継がれている人は何も海外ばかりではありません。日本にも多くの偉人がいますが、ソニー創業者の井深大氏もその一人でしょう。井深氏は幼児教育にも熱心で、生前次のようなことを仰っています。
≪技術の進歩は、豊かさや便利さと同時に、人間の考え方までも変化させています。人びとは、物質的豊かさをある程度満足させられると、心の豊かさを求めるようになりました。いったい、この世の中で人間が果たすべき役割とは何なのか、どういう人間であるべきなのかを、みなが真剣に考えはじめるようになったのです。しかし、一度できあがってしまった人間を、社会が変化したからといって、そう簡単に変えることはできません。新しい社会をゆだねられるのは、これから人間を形成していく幼児たちしかありません。私が幼児教育の重要性に思いいたったのも、この点にあります。 さて、現在の世の中をながめてみて、なにがいちばん欠けているかを考えてみると、私は、人間と人間との信頼感をあげざるをえません。人を信頼せよ、人に迷惑をかけるなという理屈は、小学生以上の人ならだれにもわかります。しかし、理屈がわかっていても実行できないのが、また人間です。生得のもの、自然に身についたものとなってはじめて、ほんとうに人を信頼することができるようになるのです。 すこしぐらい人より頭がよく、勉強ができても、人間を信頼できない子どもには、将来を期待できません。学校や幼稚園にはいるまえに、人間同士が信じあえるような基礎づくりをしておく必要があるのです。そこにこそ、真の幼児教育の目的があるのです。――『幼稚園では遅すぎる』(1971年6月発行)財団法人ソニー教育財団HPより≫

?

 井深氏の「他者を信頼出来る人間に育成する」というのは非常に含蓄に富んだ言葉だと思います。新しいイノベーションを起こすのも相手軸に立ち、本当に喜んでもらおうという気持ちがないとどこかで心が折れると思います。自分だけの利益追求では生きたアイデアは生まれてこないでしょう。他者を信頼し、時には自分の生活を犠牲にしてでも他者の幸せを思い行動する。それが大切だと思います。結局、人は他者を幸せにすることなしに自分の幸せを掴むことなど出来ないと思います。私はそれを「幸せのお裾分け」と言っていますが、幼稚園に於いては園児が楽しさの中で(広い意味での)天分を伸ばし、本人はもちろん保護者の方々にも幸せな気持ちになって頂く。そして幸福感のループの中で私達もやりがいや幸福感を感じられるものだと思います。

?

 規模としてはアップルやソニーには及びませんが「他者のために役立つ具体的行動をする」という点では共通しています。井深氏が仰っている「他者を信頼できる人間に育成する」という幼児教育の原点を忘れずに日々園児に関わる1年にしたいと思います。
 その始めとして私達がするべき第一歩、それが冒頭にも触れた社会人としての当たり前の行動なのです。一事が万事、私達は小さな一事を大切にして、まず子供達に信頼される「社会人」であろうと思います。それが「(子供達が成人し)他者を信頼し、また次の世代の幸せを願う社会人となる」といった時間軸での流れを創り出せればこれほど幸せなことはありません。 <了>