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代表コラム4月号「互いに磨き合う」

 当園も開園して4年目を迎えます。当初若干名でスタートしましたが、地域の方のご理解ご協力により園児数も次第に増えてきております。そうとは申せ日々実践している適時教育の適正人数は1クラス30?35名です。普通「少人数の方が手厚く子供達を見る事が出来る」と考えられがちですが、一概にそうとは言い切ることが出来ません。教諭が手厚く見る事が子供の成長にとって手厚いとは限らないからです。
 先日あるテレビ番組で広島県が全国でも有数の針の産地であるという紹介をしていました。その中で知ったのですが、何千本、何万本もある針を磨くのに箱の中に針を入れ80時間揺らし続けるそうです。1本1本の針は互いの摩擦によって磨かれ、80時間経過すると銀色に光り輝いた状態になっていました。
 私はこれを見た時、集団による教育効果と同じだなぁと思いました。もちろん針と人間は違います。一方は物で一方は血の通った人間です。ですが「互いに摩擦(影響)し合って磨かれていく」という点に限れば共通しているように思いました。
 例えば、当園の実践の多くは一人の担任がクラスの全員に向けて行う一斉保育です。読み書き算盤で集中力や学ぼうとする姿勢を養っていきます。また音楽では協調性や美醜の判断、運動では身体の柔軟性を涵養します。それらの活動のどれもに言えることに「ルールを守りながら皆で楽しむ」というのがあります。もし野球やサッカー等のスポーツでルールがなかったら・・・きっと楽しめないでしょう。いきなり3塁側から走ったりフライが上がっても走塁したり、手で抱えてボールを運んだりではゲームを楽しめません。これは幼稚園での活動でも同じで、歌を歌う時同じ音程で歌うことを求めます。それにより響きが体感され、気持ちのいい状態で歌えるのです。また絵本を読む時も静かな中で読むから絵本の世界に入って楽しむことが出来るのです。このように一定のルールを守ることで、子供達は協働体験を楽しめるのです。また子供達は友達の頑張りを認め、自分もその友達のようにやってみたいと思い真似をします。教諭はそこでは目くじらを立てながら教え込むようなことはしません。大人が適切な環境を設定し続けられれば、子供同士が影響し合い伸びていきます。それはさながら互いに研磨される針のようです。
 今後、皆の伸びを楽しむ一方、更に良い環境にしたいです。そのためにも多くの方に支持される園作りをして参りますので、よろしくお願い致します。